祐天寺耳鼻咽喉科クリニック

帯状疱疹（たいじょうほうしん）について

帯状疱疹は、子供の頃などに感染した水ぼうそうと同じウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス」が、体の中の神経で再活性化することで発症する病気です。日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに神経に潜んでいる可能性があり、50歳を過ぎると帯状疱疹の発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。日本では、年間約60万人が帯状疱疹を発症していると推定されています。

帯状疱疹の症状には、通常、胸部、腹部に痛みを伴う水疱やかゆみを伴う発疹が現れ、しばしば灼熱感、発赤、または刺すような痛みを伴うこともあります。発疹が消えた後も、帯状疱疹後神経痛（PHN）という痛みが3カ月間以上続くことがあります。

耳鼻咽喉科領域においては、顔面神経と内耳神経に感染すると顔面神経麻痺やめまい、難聴、顔面・耳介の発疹などの症状を引き起こします。入院加療が必要になることも多く、また２割以上の人に後遺症が残ってしまうため予防接種を受けておくことをお勧めします。

顔面神経麻痺ってどんな病気？（日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会）

 

シングリックスについて

シングリックス筋注用は、帯状疱疹の予防を目的とした世界で初めての遺伝子組換え型のサブユニットワクチンで、現在30カ国以上で発売されています。
日本では、50歳以上の方、および、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上の方が適応となります。
抗原である糖タンパクEおよびアジュバントであるAS01Bを組み合わせた本剤は、水痘・帯状疱疹ウイルスに特異的な免疫反応を誘導することを目的としており、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫低下を防ぐ効果があります。
シングリックスによる帯状疱疹予防効果は、50歳以上では97.2%、70歳以上では89.8%であり、効果は９年間以上持続することが確認されています。
これまでの乾燥弱毒生水痘ワクチンの帯状疱疹予防効果は、60歳以上で51％ですので、飛躍的に予防効果が向上しており50歳以上の方にはお勧めです。

目黒区では、帯状疱疹予防接種費用助成を行っております。