慢性副鼻腔炎の診断
少なくとも3か月間、下記の症状の2つ以上が持続している場合には、慢性副鼻腔炎の可能性を考えます。
◎ 鼻詰まり
◎ 鼻からの粘液の排出
または鼻腔から喉へ粘液が流れる
◎ 顔面の痛み、圧迫感
◎ 嗅覚の低下
副鼻腔炎の検査
副鼻腔疾患を疑った場合、次のような検査を行います。
① 鼻・副鼻腔内視鏡検査
鼻内を観察し、副鼻腔からの鼻汁流出の有無、ポリープや腫瘍性病変の有無、鼻中隔弯曲症の有無、上咽頭炎の有無などを観察します。
② 副鼻腔CT検査(コンピュータ断層撮影)
副鼻腔炎の程度や部位、鼻中隔弯曲症の有無、歯根からの炎症の有無、骨破壊の有無や石灰化の有無などを確認します。
③ 培養検査
粘液のサンプルを採取して顕微鏡で検査したり、培養検査にて細菌、真菌などの有無を確認します。
④ 病理組織検査
鼻茸がある場合は、組織検査を行い好酸球浸潤の有無を確認します。
⑤ 血液検査
アレルギー性鼻炎の有無や白血球の1つである好酸球の割合、時に血管炎の有無などを調べます。
副鼻腔炎と関連する疾患の有無
副鼻腔の粘膜は肺の粘膜と構造上似ているため、肺疾患の有無、特に気管支喘息の有無は副鼻腔炎の治療上、重要な情報となります。
慢性副鼻腔炎の方の約5人に1人は、気管支喘息を患っています。
気管支喘息やアスピリン不耐症(いわゆるアスピリン喘息)の方は、鼻ポリープを伴う好酸球性副鼻腔炎を発症しやすいことが知られています。その場合、鼻汁症状は顕著ではなく、嗅覚障害や鼻閉の訴えが主なものとなります。
アスピリン不耐性の方は、アスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用した後の数時間で、鼻閉または喘息症状が著しく悪化することがあります。
カロナール(アセトアミノフェン)では通常、副鼻腔や喘息の症状を悪化させません。
アスピリン不耐性があると思われる場合は、アスピリンや他の同様の薬を避け、アレルギー専門医に相談してください。
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副鼻腔炎の治療